ネッシー狩りの夜

ヒマだとろくなことをやらない20代ニート。

なつのかおり

 昨日やったこと。

 カーテンを洗った。

 DVDを観た。

 ちゃんとお風呂に入った。

 久しぶりにケーキを食べた。

 

 今日は、みやこめっせで開催された「紙博」に行ってきた。

 星座のポストカードが綺麗で、つい買わずにはいられなかった。

 昔からこういう、宮沢賢治的世界観のものに弱くて、こういったものを集めることでいつか彼の世界に行けるような気がしてならない。

 何もかもが悲しいほどに綺麗で、空気の澄んだ、真っ青な世界。

 宮沢賢治だと、クラムボンで有名な『やまなし』が一番好きだ。

 どこまでも清らかで、知らないものがたまに自分たちを襲い、甘い、やまなしの香りのただよう、瓶の中のような。

 

 お母さんには、富士山の写真を買った。

 小さな、マッチ箱くらいの箱の中に、淡いミントブルーのフィルターがかかったやわらかな富士山の写真が入っている。

 携帯できる富士山。

 

 帰った後は、ドクター・フーを観た。

 スターホエールの話で、無償の愛のようなものがたまらなく愛しくなるのだ。

 ほんの当たり前の感情、当たり前の善意を疑ってしまうという、そのことの悲しさ。

 ただ優しいだけでは人から信頼されないことの切なさ。

 そういったものが溢れてきて、どうしようもなくなった。

 疑って、傷つけて、ようやくそれが本物の打算なしにあふれ出た善意だったと気づいたとき、いったいどう償ったらいいのかとか、疑ってしまった自分への嫌悪感で押しつぶされそうになる気持ちに、何とも言えなくなってしまう。