ネッシー狩りの夜

ヒマだとろくなことをやらない20代ニート。

きしねんりょ

 昨日やったこと。

 買い物に行った。

 DVDを返しに行った。

 本を買った。

 

 涼しい一日だったのを覚えている。

 本来の夏はあれくらいの気温だったというけれど、平均気温35℃に慣れてしまった身体には寒いくらいだった。

 こうして少しずつ適応していって、その前の暮らしなんて忘れていくのだろう。

 積もっていくたびに押し込められて圧縮される。

 

 死んでしまいたかった。

 正確にはどこかに消えてしまいたかった。

 自分が生きていることがどうしようもなく嫌だった。

 どうして生きているのだろうかと、生きていることに意味なんてないのに問いかけてしまう虚しさが気持ち悪かった。

 

 人間を信用していない。

 だから、ときどき見かける善性に涙が出る。

 砂の粒の中に混じった真珠のようなものだ。貝殻や珊瑚の死骸はあるけれど、真珠はまずない。

 砂の中にあるものの大半はゴミだ。

 海藻と絡まり合いながら、海中に住む生物の消化器官を詰まらせる。

 そういったビニールの切れ端のような生き物が自分だ。

 けれど、真珠の核もまたゴミなのだ。

 要は性悪説の話である。

 

 人間を信用していないと、人間を馬鹿にする。

 自分も同じ穴の狢なのに、だ。

 人間を信用していないと、傷つけられることにひどく怯える。

 信用していないなら最初から期待していなければいいのに、愚かなことだとわかっている。

 利己的であるがゆえにちぐはぐな行動をしてしまう。

 それがひどく苦しく、自分が醜く、ゆえに、死にたいと思う。